2008年12月07日

「大暴落1929」ガルブレイズ



はじめて読んでみました。
日本語訳が読みやすく、一機に読めます。

それにしても、暴落の前後の値動きはほんとうに良く似ていますねえ。
いつ急落するかは誰にもわからない...
1929年の場合も、何回か大幅な上げ下げを繰り返しながら、最後は急騰。
そして暴落。
しかも暴落の週よりもその後数ヶ月間の下げの方がきつかったようです。

なんだか今回の暴落ともライブドア事件後の暴落ともITバブル崩壊後の暴落とも似ています。

1929年の場合は、要約すると、レベレッジのかかった信用取引と投資信託の台頭、ファンドオブファンドでさらにレバレッジがあがっていたようです。

2008年の場合もレバレッジ(=信用取引)は同じ。サブプライムローンをはじめ、さまざまな証券化商品をもとにした仕組み商品も、フォンドオブファンドの仕組みと同じようなもの。

下落が始まれば、レバレッジがかかっている=借金を抱えているので、だれもが売りに走る。そして、その下落によりさらに担保価値が下がる。結局のところ、これだけのことだ。

この本は、その事実を活写しているだけなので、余計におもしろい。

「金利や信用供給よりもはるかに重要な役割を果たしたのは、時代の空気である。大規模な投機が展開されるためには、普通の人でも金持ちになれるのだという楽天的で揺るぎない自信がゆきわたっていなくてはならない。」(p.275)

バブルのときっていつもそういう空気。

「大恐慌の原因はいまだにはっきりしない。(中略)多くの文献は、何が間違ったのか、それがなぜかを自信ありげに断定している。だが逆にこの事実から、原因はあきらかでないことが読み取れる。というのも、人間は確信が持てないときほど独断的になりやすいからだ。」(p.278)

要するに、大暴落が大恐慌までいってしまったハッキリとした理由はないようだ。

わかっていることは「証券市場」というのは、世間でなんとなく思われているような「実体経済から遊離しているもの」ではなく、「実体経済そのもの」であるという簡単な事実が確認できること。

あと、ごくおおざっぱにいうと、実体経済よりも証券市場のほうが先行するといってもいいのではないだろうか。実際には1929年当時もすでに実体経済の指標は暴落の数ヶ月前にピークを打っていたようですが、そのあとの恐慌はその比ではない。小泉政権下で突然株価が急上昇したように、なにかのきっかけでまた上がるかもしれない。でも、今回はアメリカが上がらないことにはどうにもなりませんね。

今後どうなるのかは、だれにも予想がつきません。

アメリカの政策をみているとまるで「もぐらたたき」みたいですし...
自動車産業を保護したら、それだけで済まなくなるでしょう。保護するのであれば、ビッグ3を1つにしてしまうぐらいの制裁効果がないとダメでしょうね。歯止めが利かなくなる。日本の私の個人的な勘にすぎませんが、ビッグ3のトップが公聴会でならんでおねだりしている様子は、インチキ臭くてしかたがありませんね。

日経新聞なんかをつらつら読んでいると、100年に1度のチャンスとか、もう数ヶ月前から書かれていますが、どうなんでしょう。そういう言葉が出なくなったときが反転のときのような気がしますね。

posted by kenta++ at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介など... | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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